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父
 父は今年78歳を迎える。父は、公務員を定年まで勤め上げた。まだ、日本が景気の良い頃に退職したので、今は年金で悠々自適の生活を送っている。
(趣味)
 父の趣味はカラオケで、毎日のように出かけている。近所の同年輩のおじいさん・おばあさん達と楽しんでいる。母が行くことはない。一度ぐらい誘ってやればと思うのだが、昭和初期生まれの人間はとてもシャイなので、気恥ずかしくて誘えないのだろう。カラオケに出かけているうちは元気(大丈夫)だと思っている。早寝早起きに心がけ、1日10時間以上の睡眠をとっている。私なんかよりはるかに元気である。
 父のもう一つの楽しみは、孫に何かを買うことである。孫が物をねだると目を細めている。最近も、私の長女が、結婚祝いに30万円もするイタリア製のテーブルを買ってもらった。父は10万円程度の予算で家具屋に出かけたのだが、結局は完全の予算オーバーになった。
 父の傍らにはいつもリリーがいる。家中で、唯一、おやつを与えるのが父である。下痢をしたり、太りすぎたりすると可愛そうだからと止めるように言うのだが、とんと気にしない。リリーが家中でも最も愛しているのは父だと思う。
(なんにもやらん!)
 最近は、一切のことをやらなくなった。おかげで母はいつも仕事をしている。そのせいもあってか、いつも言い争いをしている。母が強いので、形勢はいつも不利である。父は、やることはやったのだから(勤め上げて、家族を養ったではないか)、後はなんにもやらんぞといつも言っている。私が早く退職したいという気持ちと、どこか通じるところがある。 
(プロ野球)
 春になって、プロ野球が始まった。父の楽しみが一つ増えた。夕食は17時30分頃に一人で食べ、18時から始まる野球放送を聴く準備をしている。夕飯を作る女房殿にしていみれば、とんだ災難である。勝ち試合は最後まで聞いているようだが、負け試合はそうそうにラジオを切り、高いびきをかいている。父がこんなにも楽しみにしてるんだから、中日ドラゴンズには頑張ってもらいたい。

 今は、父の健康だけを願っている。こんな悠々自適な幸せな毎日が永久に続くと良いのだが。


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