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女房殿
 彼女は四国徳島県の小さな町の出身で、仕事を求めて愛知県へやってきた。彼女の職業は看護婦である。知り合ったのは職場で行われたソフトボール大会であった。交際が5年ぐらい続き、私が28歳、彼女が23歳の時、結婚した。結婚後は、ずっと専業主婦として家事を切盛りしてきた。子供に手がかからなくなったので、数年前から、近くのス−パでパートを始めた。私の薄給では、娘3人を大学に通わせるのは難しく、それをサポートしてくれたのだ。
彼女はのんびりやで、その性格にどれだけ救われてきたことか。いつも感謝している。
(体型の話)
 長女は結婚の翌年に生まれた。更に翌年には次女が、その翌々年には3女が生まれた。それを契機に彼女の体型は見る見るうちに崩れていった。結婚当時は50kgぐらいで、少しだけふっくらという感じであったが、今はその姿を想像することは至難の技である。子供たちも当時の写真を見てびっくりしている。長い髪の女の子という印象であったが......最近の彼女の関心事はダイエットである。テレビ番組をいつもチェックし、関連番組を録画している。しかし、体重を聞くと決して教えてはくれない。その努力は報われていないようだ。
 15年前に私が最初に心筋梗塞を発症し、40日間入院した時、彼女の体重は50kgを切るまでになり、まるで病人の様であった。そんな彼女も私が元気さを取り戻すにしたがって、再び元の大きな体型に戻っていった。いかに彼女に心配をかけたことかと心痛の思いであった。彼女が日増しに体重を取り戻していくのを見ながら、私は暖かい幸せな気分を味わっていたのだ。彼女にはずっと平穏な日々を与え続けたかった。そして、いつまでも大きな体のままでいて欲しいかった。いつもそう思っていた。だが、私の願いは通じなかった。再び彼女に大きなストレス与えることになってしまった。
(負け惜しみ)
 病気が再発して良かったこと。こんな言い方は負け惜しみでしかないのだが。夫婦の会話時間が随分多くなったことだ。2週間に1度の通院には、必ず彼女が付き合ってくれている。診察順を待つ間、二人でずっと喋っているのだ。彼女はいつも聞き役に徹していてくれる。同じ事を何度も言うなと思っていることだろう。元気になるまでもう少しわがままを許して欲しい。


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