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(平成15年6月01日、日曜日、病室の移動)
 相変わらずの睡眠不足である。
 午前中にT医師がやってきた。「順調ですよ」と声をかけてくれた。診察した結果、胸部に挿管されているドレーンを抜いてくれるという。心臓周辺の汚物を外に出してくれていた管なのだ。若手のO医師が、腹部に固定してあった糸を切る。そして、力ずくで管を抜き始めた。想像以上に太い管で直径が1cmはあった。その管を2本抜く。今までに体験した事のない感じである。痛くはないが上半身を持っていかれそうな力が加わる。何とか我慢する。これで随分と身軽になった。そのついでに、尿管留置カテーテルも抜いてくれた。看護師が引き抜いてくれたが、この感覚は何度味わっても慣れない。膀胱の奥深くから抜き取る感じで、何かにすがりつきたい気持である。これで、私を縛っているのは右頚静脈への点滴と酸素マスクだけになった。肺のガス交換がなかなか上手くいかないようである。ともかく一歩前進した日であった。

 そんなことを思っていると急にCCUから一般病室(2人部屋)への転出となった。どうも急患があったらしく、入った順番に出されるらしい。病棟へ引っ越し安静にしていると、いきなりカーテンを開ける奴がいた。同部屋の奴であった。退屈しのぎに話でもしたかったのだろう。私の様子を見ると少し恥じた様子で「すいません」とカーテンを閉めた。全てが全て自分と同じ状態だなんて思ったら大間違いである。自称ガードマンという40面をさげた男であった。その後、4日間を彼と同室で暮らすのだが、言葉を交わす事は当然なかった。

 女房殿にダービーを買ってもらったのだが、1着・3着で10万を逃す。ギャンブルにはとことん見放されているこの頃である。手術で何かが変わると思ったが、そんな都合よくはいかないようだ。部屋にはTVがあるのだが、それを見るだけの元気さはまだまだ戻ってはいない。お腹がゴロゴロ鳴り出したのが気になる。