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(平成15年5月26日、月曜日、手術の2日前)
 昨夜は「笑顔の法則」(TVドラマ)を見て寝た。就寝時に眠剤を飲んだので、目が覚めたら5時であった。比較的爽やかな目覚めである。もう少しゴロゴロしていても良かったのだが、性格上それは無理であった。早速、ベット横のパソコンの電源を入れる。このノートPCはメモリが64MBしかないので、動作は恐ろしく緩慢である。CD−ROMからデータを読み込もうとしたが、ドライブを認識しなくなっていた。原因はいろいろ考えられるが、今すぐ修理するということは無理であった。電源を落として様子を見ることぐらいが精々だろう。でもこれが動かないと入院生活が味気ないものになってしまう。壊れていなければ良いのだが。

 今日は朝から採血と出血凝固時間測定検査がある。これまではワーファリンという血液の凝固を抑制する薬を飲んでいたが、先々週の14日から服用を止めている。手術をするにはこれが邪魔になるのだ。出血凝固時間測定検査で薬が効いていないことを確かめるのだ。まぁ、手術をうけるために誰もが受ける検査なのだ。

 昨日、以前の入院の時に同室だった人の話をしたが。廊下ですれ違う時は目を合わせないようにしていた。あまり話をしたくなかった。それが、病室をでるといきなり出合って目が合ってしまった。軽く会釈をした程度ではあったが、彼は人が変わったように痩せ衰えていた。胸には大きなガーゼ(切開跡)が貼られ、頚動脈にも大きなバンソコウが貼ってあった。痛々しい様子である。離れ際に看護師に冗談をいっているようで、冗談好きな本来の彼に戻りつつあるのだろう。自分もこんなことになるのかと不安が体中を駆け巡る。現実的なことを余り考えないようにしている私にとっては少しショックだった。

 午後、看護師から手術の説明を女房殿と受ける。看護師は1年生で説明がたどたどしかったが、怒りはわいてこない。自分の娘も同じように看護師の1年生なのだ。一所懸命に説明してくれる熱意だけは伝わってきた。チョッとした手術マニュアルを受け取る。一読すると概略は分かった。何度も何度も想像したことがそこには書かれていた。剃毛に若干の抵抗があったが、感染防止の点から最近ではやらないそうである。手術中、家族は病棟の食堂で待機しなければならない。ただただ安否を気遣うだけしかできないのだからかなりの苦痛だろう。当日は、女房殿、娘3人、母親、弟がきてくれるという。手術を終え、病棟のCCUに帰るのは夕方過ぎになる。麻酔は翌日の午前中に覚めるという。目覚めるまでは人工呼吸器がつけられるそうだ。目覚めて初めて自発呼吸をするそうだ。腹にはドレーン管が2本つけられ、頚動脈に点滴をつけられ、体の自由は全く無いそうである。腹部のドレーンが取れたあたりからベットサイドに立つ事ができるようになるとのことだが、個人差があるので何日後とは決められないそうである。いずれにしても任せるしかないので、恐怖感も不安感もない。

 今は自分のことしか考えられないが、こうして手術を受けるためには多くの人に迷惑をかけていることを忘れないようにしなければならない。早く元気になることがその気持に報いる唯一の方法だと信じている。火曜日、水曜日、......2日後のこの時刻(現在時刻 18:15)には手術は終っているはずだが...