<平成9年度>

問01 事務量分析のうち,ワークサンプリング法を説明したものはどれか。

 

ア 一定期間,担当者に業務の種類別に,その期間内の実時間を記入してもらい,集計・分析を行い,オフィスの実態を調査する方法

イ 仕事の担当者に担当業務調査票を配布して,経験に基づいて,事務量や処理時間を記録してもらい,それを集計・分析して,作業時間の比率や,ある作業の延べ時間などを求める方法

ウ 統計的理論に基づいて,観測回数・観測時刻を設定し,実地観測による観測点数の比率によって,各作業時間を見積もる方法

エ 人間の行う手作業部分をいくつかの基本動作に分解して,その作業の性質と条件に応じて,あらかじめ定められた時間標準を適用して見積もる方法

 

 

問1 ウ

 ワークサンプリング法とは,サンプル別に作業状況を調査し,その結果を分析して問題解決を図る手法です。ここでのサンプルとは,個人やグループなど,作業を行う上での単位をさします。ワークサンプリング手法は,生産現場のように作業速度を測定しやすい業務ではなく,定量化(=数値化)しにくいオフィス業務の生産性を測定して,解析するのに適しています。

-----------------------------------------------------------------------------

問35 SGMLに関する記述のうち,正しいものはどれか。

 

ア DTPソフト共通の文書形式として採用されたものである。

イ インターネット上で文書を扱えるように開発された言語である。

ウ 文書の論理,意味構造を記述する言語である。

エ ワープロソフト共通の文書形式として採用されたものである。

問35 ウ

 SGMLとはStandard Generalized Mark-up Languageの略称で,国際的に標準化された文書記述言語です。例えば前付けでは,見出しはタグで囲み,日付はとで囲むなど,文書の様式をタグで指定します。また本文でも,タグを使い分けることで章・節・項に階層化できるため,文書の論理構造を指定することができます。HTMLと混同しやすので注意しましょう。どうしても「インターネット上で文書を扱えるように開発された言語である。」と答えてしまいます。

-----------------------------------------------------------------------------

問題54 状態1に示す塗りつぶした円(A)と四角形(B)の一部を重ね合わせると状態2のようになった。重ね合わせる際に行った論理演算式はどれか。ここで,は論理積,は論理和,nandは排他的論理和,notAはAの否定を表す。

 

ア A・B    イ A+B   ウ AnandB  エ not(A+B)

 

問54:ウ

ア AとBが重なった部分が塗りつぶされ,後は塗りつぶされない状態になります。

イ AとB,及び重なった部分の全てが塗りつぶされた状態になります。

エ AとB,及び重なった部分の全てが塗りつぶされない状態になります。

-----------------------------------------------------------------------------

問題56 7ビットからなる文字を,80文字を1ブロックとして,水平・垂直パリティ付き,調歩同期方式(スタート・ストップ信号はそれぞれ1ビット)で伝送する。800文字のデータを伝送する場合,送られるビット数は幾らか。

 

ア 5,600  イ 6,400  ウ 6,480  エ 8,100

 

問56:エ

 7ビットからなる文字に垂直パリティビットが1ビットつきます。さらに調歩同期方式ですから,1文字ごとにスタート・ストップ信号が1ビットずつ付加されます。従って1文字あたり10ビット伝送されます。それが80文字で1ブロックを構成し,1ブロックごとに水平パリティビットが10ビット付加されます。従って1ブロックの総ビット数は,

 (7+1+1+1)*80+10=810ビット

です。それが800文字(=10ブロック)ですから,8100ビットになります。

-----------------------------------------------------------------------------

問題57 次の論理式のうち,X・notY+notX・Yと等しいものはどれか。ここで,は論理積,は論理和,notXはXの否定を表す。

 

ア (X+Y)・(notX+Y)

イ (X+Y)・(X+notY)

ウ (X+Y)・(notX+notY)

エ (X+notY)・(notX+Y)

 

問57:ウ

 該当する文字コードがないことから,Yの否定はnotYと表記します。

X・notYはXとY以外の論理積ということで,XからYと重なっている部分を除いたものになります。一方notX・Yは,同様にYからXと重なっている部分を除いたものになります。問題文のX・notY+notX・Yはそれらの論理和ですから,XとYの両方から重なっている部分を除いたものになります。

 計算式を覚えたり、図を書いたりする方法がありますが、XYの情報を表を作成してにこつこつ解くこともできます。

 

-----------------------------------------------------------------------------

問70 あるプログラムを使って,コンピュータのCPU使用時間とI/Oにかかる時間を測定した。その結果,総実行時間は100秒であり,そのうち,CPU使用時間は90秒,残りはI/O時間であった。今後,5年間にわたって,CPU速度は毎年,前年度比較で40%ずつ速くなるが,I/O時間は変わらないとする。5年後にはこのプログラムの総実行時間は何秒になるか。なお,OSやその他の条件は変わらないものとする。

 

ア 17   イ 23   ウ 27   エ 40

 

問70 ウ

 CPUの速度が年々40%ずつ速くなるということですから,5年後は1.4の5乗で5.37824倍になります。そのため,処理時間は5年後には5.37824分の1になりますから,90秒*1/5.37824=16.734秒(小数点以下第4位四捨五入)となります。

これにI/O時間の10秒を加えて,26.734秒となります。正に算数の問題ですね。

-----------------------------------------------------------------------------

 

問71 RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)は,小型のハードデイスクを多数用いたディスクアレイシステムである。RAIDの説明として,適切なものはどれか。

 

ア 誤り訂正符号としてパリティビットを採用しているので,ECC符号と比べて信頼性に欠ける。

イ 安価なディスクアレイシステムであるが,低速なのでバックアップ用の装置として使うのが一般的である。

ウ ミラーディスクとして使うためには,システムを構成するハードディスク装置の数を必ず偶数にしなければいけない。

エ ミラーディスクとして使う場合,使用効率は全容量の50%になる。

問71 エ

 RAID(レイド)とは複数のハードディスク装置を並列に接続し,それらをあたかも一つのハードディスク装置のように制御する手法です。この制御手法として,RAID−0からRAID−5までの6種類があります。

 ミラーディスクとはRAID−1の別称です。同じデータを複数のハードディスク装置に多重化して記録することで,その一つで障害が発生しても他方で処理が続行できる手法です。記録できる容量は多重化した分減りますが(二重化すれば記録容量は半減します),その分信頼性が向上します。2台の装置を用いるのが一般的ですが,3台以上に記録して冗長性をさらに高めることも可能で,装置の数が偶数である必要はありません。

-----------------------------------------------------------------------------

 

問72 データの蓄積・伝送における暗号技術に関する記述のうち,正しいものはどれか。

 

ア 暗号化,復号する際のかぎの方式として公開かぎ方式比較かぎ方式が主に使用されている。

イ 暗号化してデータを伝送するときに抑止できるのは情報漏えいであり,情報の変更は抑止できない。

ウ 電子決済や電子マネーでのユーザ認証に使われる電子署名には,秘密かぎ方式を使った暗号化が用いられる。

エ 不特定多数の相手とデータを交換するときに適しているのは,公開かぎ方式を使った暗号化である。

 

 

問72 エ

 インターネットでのセキュリティ対策は,今後も出題が見込まれる分野です。98年以降に刊行・改訂する,私の初級シスアドに関する全ての著作物で,この分野に関するより詳しい解説を入れます。

 インターネットでのデータ伝送における暗号化方式として,公開かぎ方式と秘密かぎ方式があります。ここでは公開かぎ方式の原理のみを説明します。(認証局で公開されているかぎの参照や,ブラウザからのデータ送信の暗号化,及び秘密かぎに切り替えての伝送部分は省略して,公開かぎの原理部分のみを抽出して取り上げます。詳しくは,改訂カリキュラム対応と明記した,私の著作をご覧下さい。)

@ ブラウザで暗号化かぎと復号化かぎが生成されます。復号化かぎとは,暗号化されたデータを元に戻す上で必要な,かぎとなる情報です。

A 暗号化かぎが,ホームページのサーバに送られます。それが届いて相互に確認が済むと,Netscape Navigatorでは画面左下の折れた鍵のマークがつながったそれに変わり,Internet Explorerでは画面下部に錠前のマークが表示されます。

B ホームページのサーバはそのブラウザに送るデータを,届いた暗号化かぎで暗号化して送信します。

C 届いたデータは,ブラウザの復号化かぎで元に戻されます。

 公開かぎ方式では,暗号化かぎは認証局に登録されていたり,インターネットを流れるため,第三者の盗み見が可能です。そのため暗号化かぎが公開されているということで,この名が付いています。しかし暗号化かぎと異なる復号化かぎは,受信側にしかないため機密は保持されます。公開かぎ方式の特徴は,送信側は個別に異なる暗号化かぎを用いることで,不特定多数の相手と暗号化通信ができることで,電子マネーや電子決済に向いています。

 一方秘密かぎ方式では,暗号化かぎと復号化かぎが同じであり,送信側と受信側とでかぎを設定して伝送する方式です。特定の相手とのデータ交換に向いています。

ア "比較かぎ方式"ではなく,"秘密かぎ方式"です。

イ 暗号化により,情報をどう変更してよいかも分からなくしています。

ウ 上記の解説を参照して下さい。

-----------------------------------------------------------------------------

問73 インターネットを使う際に生じる日本国内の著作権と著作隣接権について,正しいものはどれか。

 

ア あるサーチエンジンから特定の種類のサイトのアドレスを検索し,検索結果として表示されたサイトの一覧表を自分のぺージにはり付け公開した。アドレス自体に著作権はないから,この行為に問題はない。

イ あるサイトにあった画像データが気に入ったので,作成者の了解を取り,その複製を自分のぺージにはり付け公開した。この際に,画質が劣化しないように画像データのファイル形式を変えたが,出力画像の同一性は維持したので,この行為に問題はない。

ウ あるサイトにあった画像データは,著作権保護期間が経過済みの画像データをオリジナルとし,それを修正して見栄えのするようにしたものである。その複製を取り,自分のぺージにはり付け公開した。オリジナルの画像データに著作権保護が及ばないので,この行為に問題はない。

エ 古典文学の朗読を収録してあるサイトがあったので,その音声データの複製を取り,自分のぺージにはり付け公開した。古典文学に著作権はないから,この行為に問題はない。

 

問73 イ

 著作隣接権(imidas'97より)

実際の著作物の創作者でなく、著作物を公衆に伝達する役目を担う実演家・レコード制作者・放送事業者に認められた権利。権利の発生には一切の手続きを必要としない無方式主義を採用。

ア YahooやGooなどのサーチエンジンの検索結果画面は,そのサーチエンジンの著作物となります。また検索結果自体も,サーチエンジンの著作隣接権がかかりますので,権利の侵害となります。

イ 画像データのファイル形式が変更(gif→bmpなど)されても,出力画像の同一性が維持してあれば,著作権中の同一性保持権を侵害したことにはなりません。例えば,紙に印刷されている小説を電子文書化した場合と同じことで,媒体が変換されても同一性を保持していることになります。同一性保持権について,詳しくは拙著"入門システムアドミニストレータ"をご覧下さい。なお画像の変換では,翻案権が関与する可能性がありますが,イ以外のケースの方が侵害の度合いが高いため,イを正解例とします。

ウ 他の著作物を改変して制作したものにも,その制作者の著作権がかかります。例えば新聞記事を収録したデータベースの場合,収録した新聞記事の著作権と,データベース自体の著作権とが重なります。この場合,どちらも尊重するようになっています。それと同じことで,原著作者の著作権が保護期間を経過していても,改変者の著作権が保護期間内であればそれは有効ですから,権利の侵害となります。

エ 古典文学は,著作権はないか保護期間が過ぎています。しかし,朗読自体は著作隣接権がかかりますので,権利の侵害にあたります。

-----------------------------------------------------------------------------

問79 コンピュータのメモリの容量の年代別の推移を表す次の表を折れ線グラフにする。

 横軸を年,縦軸をメモリの容量とし,グラフの形態がほぼ右上がりの直線とするには,縦軸の単位と目盛りの設定をどのようにすればよいか。

 

 

ア 単位をkバイトとし,0から1ずつ等間隔の常用対数目盛りを付与

イ 単位をMバイトとし,0から1ずつ等間隔の常用対数目盛りを付与

ウ 単位をMバイトとし,0から1ずつ等間隔の目盛りを付与

エ 単位をMバイトとし,0から10ずつ等間隔の目盛りを付与

 

問79 ア

 問78のイの解説も参照して下さい。このように指数関数的に増加する曲線を折れ線グラフに表すには,常用対数目盛が適しています。常用対数とは10を底とする対数で,10進数の数値を対数表現するにはこれを用います。また基準となる単位ですが,最も低い数値に合わせるのが通例です。

 

-----------------------------------------------------------------------------