最近の私はゆっくりゆっくりと唱えながら生きている。生来のせっかち者なので、そのくらいで丁度良いのだ。歩く早さも時速4kmぐらいにしている。ゆっくりゆっくりである。
小春日和に誘われて近鉄電車が催しているハイキングに出掛けた。職場で気の合うIさんと一緒である。コートなど全く要らない温かい日であった。出発は近鉄富吉駅である。ここから、佐屋川沿いに歩き、吉川英治句碑を見て、蟹江川沿いに近鉄蟹江駅まで歩く、全長約7kmのコースである。病気持ちの私には手頃な距離である。Iさんといろんなことを喋りながら歩く。梅があちこちで咲き、いつもより時の流れがゆったりとしている。佐屋川沿いには俳句の書かれた板が立てられている。その俳句を批評しながら歩く。和菓子屋により草もちを買う。二人して食べながら歩く。この食べながら歩くというのは私の専売特許なのだが、最近、Iさんも感化を受けたようで、平気な
顔をして食べている。1時間半ぐらいでゴールの近鉄蟹江駅についた。瞬く間であった。
私達はそれに物足らず、東へ東へと歩いた。名古屋に向かって歩いた。Iさんは地図を気にしていたが、私には地図などどうでも良かった。迷ったら迷ったで、それもまた楽しい、そんなふうに思っていた。公園で昼食をとる。会話は止まらない。Iさんは私より10歳年上である。私よりずっと元気な人である。人の話にあまり興味を持たない私だが、Iさんとの会話には心地良いものを感じる。少し理屈っぽいところはあるがそれさえ気にならない。この人の人柄なのだろう。新川を渡り、庄内川を渡ったところで、市バスに乗った。近鉄富吉駅からは15kmぐらいは歩いたかもしれない。少し、足が痛かった。Iさんは全く疲れなど見せずひょうひょうとしていた。